電気試験所(現電子技術総合研究所)超高電圧送電研究室研究員、イギリス ポリテクニック・オブ・セントラル・ロンドン招聘研究員、電子技術総合研究所・エネルギー部・エネルギーシステム研究室主任研究官、同所 エネルギー部エネルギー情報技術研究室長などを歴任し、1996年、東京農工大学工学部教授に転任した。その間、新エネルギー総合開発機構太陽技術開発室主任研究員として出向している。電子技術総合研究所では、多くの大学から卒論生、修論生を受け入れ研究実習指導を行ってきた。
安定した直流送電の実現のために不可欠な、半導体高電圧バルブの開発で、世界で初の100万ボルト1500アンペア級の光点弧式高電圧サイリスタバルブを開発し、同技術の実現に顕著な貢献をした。黒川教授の開発方式の高電圧サイリスタバルブは、北海道ー本州間の直流海底ケーブルによる連系送電線に採用された。
昭和49年のサンシャイン計画の発足とともに、太陽熱発電用ソーラーシュミレタの開発を担当、その間、自然太陽光の700倍程度の高密度光にさらされる太陽熱吸収材料の評価のための「ハイ・ソーラ形ソーラーシュミレータ」を考案した。また、太陽熱発電システムで用いられる各種反射鏡の反射性能測定法や耐久性促進試験法の研究も手掛け、パイロットプラント等の評価にも採用された。
同分野では、我が国の第一人者で、多彩な経験をもとに国内プロジェクト遂行に指導的な立場を果たし、太陽光発電システム技術の導入時代の創出に多大な貢献を果たした。主要な研究成果の一端としては、太陽光発電システムの基本設計のための「統合設計ルールの確立」、パソコンによる簡易設計システムである「PVエキスパート」の開発、太陽光発電システムに利用するための高効率な新しいタイプの「レドックスフロー電池」の開発、気象衛星「ひまわり」の可視雲画像を用いた「太陽エネルギーマップ」作成モデルの開発、など多数上げられる。
太陽光発電システムの研究の初期に著した「太陽電池の時代」はよき入門書として多くから親しまれ、昭和62年電気学会著作賞を受賞、また、太陽光発電システムの統合設計理論に関して、広く社会に普及するための教科書として「太陽光発電システム設計ガイドブック」提唱・編集し、平成7年度オーム技術賞を受賞した。
電気学会会員、国際太陽エネルギー学会会員、日本太陽エネルギー学会理事(4期)、エネルギー資源学会会員、植物工場学会会員として活躍している。また、通産省資源エネルギー庁総合エネルギー調査会代替エネルギー部会の第1分科会長として「新エネルギー導入大網」の太陽光発電や風力発電の目標設定に参加しました。その他、太陽光発電システム各種委員会の多くの委員長・主査などで指導的役割を果たしてきた。さらに、国際電気標準会議(IEC)のTC82(太陽光発電)のシステムWGには昭和58年以来、日本代表専門委員として多数渡航し、国際規格の提案・審議に参加している。また、平成6年ハワイで開催された第1回世界太陽光発電会議(WCPECー1)では、プログラム委員会分野別副委員長、平成10年にウィーンで開催された第2回同会議(WCPECー2)では大会副委員長を勤めた。次回の2003年の第3回同会議(WCPECー3)では議長に就任することが決定している。またTASK-VIII(OA)の運営責任者にも就任している。この他、国際エネルギー機関(IEA)やアジア・太平洋経済会議(APEC)の研究協力活動絵の関与など国際的な活動も活発に行っている。
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