|
|
インバータが接続される電力系統側へ目を向けると,高日射時に多くの太陽光発電システムが高出力運転を行った場合,電力系統への逆潮流(連系された分散型電源が余剰電力を電力系統に送り込むこと)も大きなものとなります。これにより系統の末端である需要化近辺の電圧が系統連系ガイドラインの規定値の上限に達し,逆潮流ができなくなる可能性があります。このような電圧上昇問題への対応としてパワーエレクトロニクスを用いた配電系統用電圧調整機器(本研究室ではD-UPFCと呼んでいます)の研究も行っております(D3李,M1山口)。従来のものと比較して高速であり,低コスト化,小型化も期待できます。別の視点からのアプローチとして,蓄電池を使用することにより,逆潮流できない電力を一時蓄電することで電圧上昇問題を解決するという研究も行
っております(D2嶋田)。蓄電池を用いれば,通常太陽電池を使用することのできない夜間などに電力を供給することのできる新しい形の太陽光発電システムとなります。
|
|
|
|
現行の電力系統に太陽光発電システムが大量に導入されると,太陽光発電システムが系統側での停電事故に気がつかないまま発電を続ける単独運転という現象が起こる可能性があります。系統側での停電に対し発電を停止できなかった場合には,保守作業員に危険が及んだり,電気機器の損傷も危惧されたりと様々な問題が起こり得るため,この現象は絶対に防がなくてはなりません。そのため,本研究室では単独運転防止に関する研究を行っております(D3五十嵐,M2宮本)。
|
|
|
|
太陽光発電システム大量導入に伴う問題解決と共に,電力系統に実際の太陽光発電システムを含む各種分散電源が導入された場合,どのような影響を及ぼすかを事前にシミュレートする電力系統ミニチュアモデルの開発,検証も行っております(M1東方田)。作成された超縮小シミュレータは従来のものと比較して小型,安価であり,これまで非常に限られた機関でしか行うことのできなかった実規模試験の一般化を可能とし,太陽光発電システムのさらなる導入を促進するでしょう。
|
|
|