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評価グループ 〜太陽光発電をゆりかごから墓場まで〜

はじめに
 太陽電池セル(PVセル)から組み合わせて封止したPVモジュール,何枚かつないでPVアレイ,そしてインバータ等の周辺機器を組み合わせて太陽光発電(PV)システムとなります。それが実際,家の屋根などに設置され発電をします。そして,寿命20〜30年という一生を全うし廃棄・リサイクリングされます。このPVの一生の中で,それぞれの時代・世代で必要な技術が評価・シミュレーションなのです。 評価グループではPVシステムの性能をより向上させ,かつ安価にPVシステムを構築することを目指し,より多くの方々にPVシステムを利用して頂けるよう研究を行っています。気軽にPVを利用するには,それぞれの機器がまだまだ高価であり,コストの問題が導入を妨げる要因となっているからです。 それでは,順を追ってそれぞれの研究を紹介します。

評価グループの概要
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一口に太陽電池といっても,色々と種類がある事をご存じですか?
 太陽電池は何でできているのでしょう.シリコン? そうです.今,最も普及しているのはシリコンでできた太陽電池.しかし,実は同じシリコンでできた太陽電池でも結晶の状態によって何種類かに分けられるのです.その他にも,少ない面積で,少しでも多くの電力を得ようと,そして少しでも太陽電池の値段を安くしようと,たくさんの研究者が日夜研究に励んでいます.そのようにして開発された新型太陽電池はどの位発電するのでしょう? 色々な種類の太陽電池の性能評価しています.
D3 筒井,B4 高橋
新型太陽電池
  計測設備

まずは,屋内でのPVセル,モジュール評価.
 生まれてきたPVセル.まずは元気かどうか気になるところです.その指標である,効率を測定することが必要でしょう.しかし,PVはその名の通り,太陽のエネルギー=日射強度にその出力が強く依存します.また温度のような自然現象や,分光感度という太陽電池と太陽光の成分マッチングなどによる影響も受けます.これは,外で直ぐに,そして全てのものを同一条件で測定することが困難なことを示しています.そこで,模擬的な太陽:ソーラシミュレータを利用した屋内での評価基準が考えられています.ここでは,セルそしてモジュールを評価します.
D2 津野
ソーラーシミュレータ
  ソーラシュミレータ

そして,屋外での評価へ.
 PVは実際屋外に置かれるケースがほとんどです.そこで,屋外でのPVの効率,損失なども評価する必要があります.屋外にPVを置くと,いっぺんにその特性が複雑になります.それは汚れ,劣化,温度上昇,日陰などの自然現象によります.そこで,農工大に設置されたPVを使って分析を行っています.
B4 申
TUAT-20kW PVシステム
  農工大講義棟屋上の太陽電池

システムとなり,日陰の問題が.

 PVは,いよいよフィールドに出ました.しかし,立ちふさがるのは建物や木々による日陰.これは太陽光発電の天敵です.折角の発電を大幅に下げてしまう曲者です.しかし,その日陰を事前にどれだけあるかが分かれば発電特性のシミュレーション評価が可能になります.日陰の影響をPVシステム設置前に把握できるようにするための研究です.
M2 渡辺
日陰のかかるシステム

 また,PVにかかる日陰の種類によって発電量に与える影響が異なってきます。この影には,薄い影(半影)と濃い影(真影)の2種類が存在します。この影の違いを考慮することによって,今まで電線などあまりPVに影響を及ぼさないとされてきた障害物が,PVに大きな影響を与えているのかそれともあまり影響していないのかを定量的に検証する研究を行っています。
B4 山中
太陽光を平行光線として捉えた場合     現実での太陽光の場合
太陽光を平行光線として捉えた場合     現実での太陽光の場合


 従来のSi(シリコン)をセンサとして利用した簡易型日射計に,さらにInGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)を追加した二素子から構成されるデュアルセンサ型日射計を提案,開発しています.一台数十万円する精密日射計と同程度の精度を持ち,かつSiだけの日射計と同程度の価格の新型日射計を開発することで,太陽電池の発電特性を正確に把握し,PVシステムの信頼性の向上につなげていきます.
B4 石崎

システム設置後はいかが?中古はどうするの?
 PVシステムが,あなたの家に設置されてから数年.その発電特性はどうなのでしょうか? PVはメンテナンスフリーが一つの売りです.もちろん間違いではありません.大規模な火力発電,原子力発電に比べれば,十分メンテナンスフリーです.しかし,PVはあなたの子供同然.放任主義も良いけど,たまには面倒をみましょう.もしかすると,いつのまにかぐれているかもしれませんよ.はたまた病気にかかっているかもしれませんよ.そのためには,PVをカウンセリングや病院にいって検診することが必要でしょう.それがシステム評価することなのです.また,やむを得ずPVを手放さなければならない時,あなたのPVの性能価値がわからなければ,相手に渡すこともできません.そういった中古PVシステムも評価で一発です.黒川研究室では,システム評価方法の開発にも取り組んでいます.
助教 植田
SV法の概要

PVシステム,その価値は?買い取り価格は??大量に導入されると…
 PVシステムを設置された方は大枚をはたいて購入されたことでしょう,環境のために.しかし,発電電力量を電力会社に売り,その分を少しでも取り戻そうというのが余剰電力買い取り制度です.折角の環境にやさしい電力,高く買って欲しいものですね.しかし現段階では,PVは変動の激しい発電特性のために,電力会社の査定では,その価値はあまりないと言われております.でも,実はその変動は,みなさんが思うより無かったりするのです.PVがある地域に集中して導入された時,その効果が起こります.その効果は「ならし効果」要チェックです.ならし効果の評価手法の開発をしています.
D3 川崎

集中連系型PVシステム


  また,太陽光発電(PV)システムを建築時からすべての家の屋根に導入した集団住宅が増えることが予想されます。こうしたとき,地域全体での発電量を事前に予測し,建築計画や発電計画を立てることが重要になります。しかし,こうした住宅における太陽光発電システムの導入では,屋根の向き構造に合わせて様々な方角に向けて太陽電池モジュールが設置されます。そうした場合,モジュールごとの発電量が異なるため,地域全体での発電特性を予測することが困難になります。
 本研究ではPVモジュールの設置角度・方位・面積と各モジュールの受ける日射量などのデータからシミュレーションにより発電量を予測し,その特徴を調べ,地域発電計画に役立てることを目的として取り組んでいます。
B4 西村

集中連系型PVシステム

PVシステム,その価値は?買い取り価格は??大量に導入されると…
 PVシステムは今後もどんどん設置していきたい.しかし,電気事業者にとって大規模なPVシステムは「お日様任せの」あてにならない発電設備群でしかない.このままでは政府や電気事業者の協力が得られないため,大規模なPVシステムの設置が円滑に進まない.そこで,既存発電設備の代替量や燃料消費の節約・CO2の排出削減量などを全国的または,地域的に評価することにより解決します.その評価手法の開発をしています.
D3 大谷

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